フェアモント東京宿泊記 ― 東京湾で見つけた、やさしいラグジュアリー
2025年7月に開業したばかりのフェアモント東京。
世界屈指のホスピタリティグループであるアコーの一員であるフェアモントの日本初上陸。
パークハイアットニセコのデザインで話題のオーストラリアのデザイン事務所 BAR Studioが、
「都心のエネルギー」と「東京湾の静けさ」を融合させた空間とのことで、とても楽しみに伺いました。
素敵な空間であることは間違いないと思って訪れたのですが、
フェアモント東京で実は一番印象に残っているのはスタッフの皆さんのにこやかな笑顔。
はじめてのホテルって少し緊張するものですが、皆さんいつもニコニコされていて、どこにいても自然に声をかけてくださって。
外資系あるあるの日本語があまり通じない・・・。という悲しみも全くなくて、 気づけば「あたたかいなー。ここ好き!」と安心している自分がいました。
客室 ― 和をやわらかく解釈した空間
今回泊まったのは「フェアモントゴールド」
ドアを開けた瞬間に広がる東京湾の景色は圧巻で、羽田空港に飛行機が降りていく様子まで見えて、
「東京にいながら、こんなに空と水を感じられるんだ」と感動しました。
お部屋のインテリアで印象的だったのは、赤からオレンジのグラデーションでデザインされたカーペット。
枯山水を思わせる模様が施され、足元を華やかにしています。
壁面から天井にかけては水彩画のような壁紙とセンの木材・照明のデザインが優しく和を印象付けます。
一般的に和風といえば直線を用いることが多いですが、“曲線”で表現しているのがとても新鮮でした。
木質素材とグレーの大理石の組み合わせも上品で、全体的に包まれるような優しい居心地。
窓際には“縁側”を思わせるフローリングスペースがあり、低めのソファで横になって景色を眺める時間は、まさに非日常。
コーヒーメーカーや備品にまでオリジナルの施しがされていて、 細部からも「特別感」を感じられます。
ふすまのような引き戸で仕切ることができるよう間取り
洗面からバスルームの石使いが贅沢!
控えめな壁紙と明るい木目の組み合わせは、明るい時間帯の撮影だと本当に写真映えが難しい!
ほんとはもっと素敵なのに、綺麗に撮り切れずごめんなさい。
是非訪れてその空間を体感してほしいです!
スイートルームも見せて頂きました!
こちらは水回りを挟んでリビングエリアとベッドルームが分かれています。
こちらはアクセントにブラックが使われていて少しシック。
夕陽が差し込む時間帯でしたので少し陰影がはっきりと雰囲気よく撮れているでしょうか。
フェアモントゴールドラウンジでの特別なひととき
チェックインから利用できる「フェアモントゴールドラウンジ」も素敵でした。
こちらも曲線的なデザインでグリーンやオレンジを効かせたカラーコーディネートに、大理石やレザー、ガラスや金属の異素材ミックス。
カジュアルになってしまいそうなのに、ほどよいこなれ感にとどまっていて、リラックスを誘います。
昼と夜では全く違う表情に。
シャンデリアのきらめきが素敵。こちらもいろいろなデザインが施されています。
所々にアンティーク調のミラーが施されていて、うっすらと空が映り込んだりして、目にも優しい華やかさ。
アフタヌーンティーやカクテルタイムを楽しみながら、行き交う船や飛行機を眺めていると、気づけば時間を忘れてしまいます。
景色そのものが動くアートのようで、飽きることがありません。
大きな船と小さな船が絶え間なく行き来していて、日本って島国だったなーと思い出しました。
滞在している方々も、まるで展望台にいるときのように、
「あれが〇〇ビル。あっちが○〇エリア。あれは何だろう?」とグーグルマップを取り出して見比べて楽しんでいました。
35階ロビーと最上階Barの心地よさ
天井の高い35階のメインロビーは、開放感がありながらも落ち着いた空間。
大きな空間なのに、どこに座っても“自分の居場所”が用意されているようで、レイアウトの巧みさに感心しました。
ここもまた、もう一度訪れたいと思える場所でした。
夜にテラスに出ると暖炉が灯り、座る場所によって見える景色が変わります。贅沢過ぎる!!
せっかくなので、最上階のバーにも行ってみましたが、こちらも屋外に出らえるところがあり、絶景でしたし、
室内もムードたっぷりでなかなか腰を上げられず・・・いまから帰宅しろと言われたら無理!
本当に宿泊していてよかったと思いました。
インフィニティプールで東京とつながる
スパのインフィニティプールは、夜は幻想的にライトアップされ、朝は光の中で東京湾と一体化するような景色に。
屋外ジャグジーは特に印象的で、水と空と風に包まれる時間は、まさに「解放のデザイン」。
東京タワーが目の前に見えるのに水着でいることに、嬉しい違和感を感じました。
ジムのマシーンもとても充実していて、この本格的なジムで汗を流した後にサウナからのインフィニティプール&ジャグジーって、
体と心の整いっぷりが半端ないな!と思いました。
どこが水面かわからなくなる仕掛け
誰もいないプールの水面は綺麗に空が映り込んでいます。
スパの入口の左右対称が美しい!
ガラスのオブジェー夢の国の入口ですか?
小さな遊び心 ― セリーンわんちゃん
そして忘れられないのが ターンダウン後のサプライズ。
ベッドの上にちょこんと座っていたのは、このホテルの「最高ハピネス責任者」こと セリーンわんちゃんのマスコット。
可愛らしい姿に思わずにっこり。残念ながら本人には時間が合わず会えなかったのですが、「いつかリアルに会いたい!」と思わせる仕掛けに、ホテルの遊び心を感じました。
フェアモント東京は、ワンちゃんと一緒に泊まれる客室もあるようですね。
カナダの古城ホテルがルーツ
フェアモントは、本社のあるカナダのバンフやオタワにある古城のようなリゾートホテルがルーツ、そのせいもあってか、モダンなタワー内にありながら、館内はクラシカルな空気感が漂います。
バンフのフェアモントホテル
でも重すぎず、東京湾という舞台に合わせて、BAR Studioの手でモダンに翻訳されているのが面白いところ。
館内のスタッコの塗り壁やカーペットの落ち着いた色合い。
天井にスタッコ塗の磨き仕上げが施されているところもあり、こんな手の込んだ施工をしているとは、とんでもなく贅沢な仕様!
私が気がついていないところにもきっと想定外の気遣いがあるんだろうなと思いました。
館内のアート ― 伝統技法のモダンな翻訳
フェアモント東京は、アートのセレクトにも一貫した美学があります。
折り紙や織物、焼き物など、日本の伝統技法をモダンに解釈した作品が館内各所に配置され、素材の持つ“質感”が空間全体にリズムを与えていました。
特に鏡を加工したアートや切り絵のような表現は、光との相互作用で刻一刻と表情を変え、歩くたびに新しい発見があります。
エレベーター内のアートも機ごとに異なる
支配人の言葉と、空間の完成度
ホスピタリティが素晴らしかったので、帰宅後に確認したところ、支配人は「履歴書ではなく、人柄や個性を大切にして採用している」とのこと。
皆さん素敵な人柄がにじみ出ていたのは、その理由ですね。
外資系ホテルなのに、旅館に宿泊したようなおもてなしを感じました。
「真のラグジュアリーとは、すべての人に開かれた包容力である」。
この言葉が、スタッフの自然な笑顔や心地よい対応にそのまま表れていました。
ラグジュアリーは装飾や重厚感だけではなく、人を含めた空間全体で成立するもの―そう改めて実感しました。
完全にファンになりました!
ユニフォームも素敵です。
セリーンはこちらに14:30くらいからご出勤だそうです。
チェックアウトは後ろ髪引かれる思い
今回は「暑いから外に出ずに、ホテルで避暑を楽しもう」と思っての滞在。
けれど実際は、快適すぎて楽しすぎて、本当に帰りたくなくなりました。
チェックアウトの時間はギリギリまでラウンジで粘り・・・それほど後ろ髪を引かれる滞在でした。
まとめ
- 東京湾の絶景を望む客室
- BAR Studioによる、曲線で和を表現した新鮮なデザイン
- 光と素材で表情を変えるフェアモントゴールドラウンジ
- 開放感とパーソナル感を両立した35階ロビー
- 東京で味わうインフィニティプール
- そしてスタッフの笑顔とセリーンわんちゃん
これらが調和した、やさしいラグジュアリーを体験できるホテルでした。
「また来たい」と自然に思える。
そんな宿泊体験でした。
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