家具の木目の色選び④ ー複数の木目柄をケンカさせないー
家具の木目の色選びシリーズの
第4弾です。
ずいぶん語ってしまっていますが、
通常は、お客様には、
”最適なスピード感でご提案すること”
を最優先にしていますで、
このような事を、
私からお客様に語ったりことはありません。
説明していると、
打ち合わせが大変長くなってしまいますし、
で?一体どれが良いの?
って思いませんか??(笑)
でも、
どうしてこのアイテムを選んでいるのか、
ということを聞かれた際には、
もちろんお答えしています。
なんとなく。
かっこいいから。
こっちの方が合うから。
と思っているようでも、
言葉で説明できます。
実は、選択のセオリーがあるな。
と感じていたので、
言語化してみました。
以前ブログで書いていた内容に追記していますが、
6年程前に書いたものなので、
内装の流行なども結構変わっています。
そのあたりは、ブラッシュアップしてみました。
ということで、続けて書いて行きますので
もしお時間ありましたら
お付き合い下さいませ。
【床と家具の色をうまく調和させるコツ】
のうちの、
②複数の木目柄をケンカさせない。
について。
色味を合わせているんだけれど、
何かしっくりこない場合。
木目柄同士がケンカしていませんか?
木目は、
”性格”を表しているようなイメージを
持つといいと思います。
個性的な木目同士はケンカしやすいです。
例をあげてみます。
節(ふし)の多い、
とてもナチュラルな風合いのパイン材床に、
出典:株式会社マルホン
横木目が特徴的な壁装材
(トリュフビーチ材)
を組み合わせてみたところを、
イメージして下さい。
出典:キッチンハウス
2つの木目が同時に視界に入ってくると、
目が!目が!チカチカします!!(>_<)
同じ黄色系同士のコーディネーションでも
これだけ個性が強い木材同士の組み合わせは、
かなり難易度が高く、ケンカしやすい。
※写真場合、床はシンプルな石材を合わせているので、
綺麗ですね。
優しくてとってもナチュラル志向の女子
(パインちゃん)と、
個性的都会派男子
(トリュフビーチ君)
この組み合わせは、ケンカというか、
そもそも、行動範囲が違いそう。
パインちゃんは、
午前中からお散歩デートしたいのに、
ゼブラウッド君は、
夜な夜なクラブに行きたい。
そんな感じしませんか?
個性の強い床の場合は、
同じ樹種でまとめるか、
少し重たくなるようなら、
シンプルな木目の家具を合わせると、
床の良さと家具の良さがそれぞれ
際立って美しいです。
パイン材の床は、
やっぱりこんなナチュラルな空間が
しっくりきますねー。
お昼間にのんびりカフェデートのイメージ。
出典:KARF
少し大人っぽい空間に仕上げたい場合は、
あえてナチュラル感を抑えても素敵です。
出典:FILLE
一方、トリュフビーチ君は、
この空間が、
やはりしっくりくることでしょう。
木目以外の素材は、
シンプルなデザインに抑えていて、
木目の良さが際立ってとても素敵です。
また、別の視点から。
その性格が違うことで、しっくりこない例は
こちら。
ホワイトアッシュとシカモア
ホワイトアッシュ
シカモア
ナチュラルな風合いを生かして、
マットな仕上げにすることの多い
ホワイトアッシュとは違い、
シカモアは鏡面仕上げ
(ピアノのように光沢を出す)
にすることが多いです。
シカモアは、
古くからバイオリンやギタ-などの
高級な楽器の表面材などに使われており、
特に有名なものとしては、
ストラディバリウスがあります。
又、バイオリンのほかにも
イギリス王室専用船の内装材としても
使用されているそうです。
鏡面仕上げ、つまり、鏡のように、
ピカピカに磨いて仕上げることで、
もともとの材質にさらに強い個性が加えられています。
一方ホワイトアッシュは、
アメリカでは、
古くはインディアンの弓矢や衣類の材料
として、
現在はメジャーリーガーが使う
バットの素材として有名です。
その用途からも、
イメージの違いが伺い知れますね!
ただ、もちろん、
意外性の美しさ。
というものもありますから、
個性の違う木材をあえて合わせる!
というコンセプトであるなら、
もちろんOKだと思いますよ!
インテリアは、
正解は一つではないですから。
それが、プライベートな空間で
あればあるほど、
自分自身が、
好きか。
居心地がよいか。
が重要だからです。
一般的には、
色味の調和したものが心地よいと
感じられますが、
それだって、全ての人が心地良いわけ
ではありません。
居心地の良さ。
を知っていて、あえて
外す。
というのも、
かっこいいですものね!
かっちりした装いだけど、
ジャケットの袖をまくる。
とか、
ふんわりワンピースに、
ライダースジャケット。
ハイヒールにデニム。
などなど。
セオリー通りではない、
”こなれ感”のあるカッコ良さ。
上級者の風格。
素敵ですね!
というわけで、
またまたファッションとの
共通点が出てきたところで
まとめましょう。
【床と家具の色をうまく調和させるコツ】
②複数の木目柄をケンカさせない。
ですが、
ケンカさせないコツは、
木目同士の性格を合せること。
早起きの彼女と
夜行性の彼を合わせると
長続きしません。
一緒にいて居心地の良さそうな
性格同士。
または、
個性的なものには、個性を抑えたものを
合せる。
でも、
あえて、
ケンカ上等!!
ということで、
個性と個性のぶつかり合い
を楽しむことに、チャレンジするのも
一興です♪
最後に、
まだ家具のことまで、
考えていないけれど、
新築マンション等で、
先行して床の色を決めなければいけない場合。
今後の選択肢を広げるために、
”比較的何にも合わせやすい木目”
を選ぶとしたら?
明るい色なら、
A.オーク材
(なるべく黄色過ぎないもの)
暗い色なら
B.ウォールナット
などがお勧めです。
A.オーク材は
木目があまり主張しませんので、
どのような家具も受け止めてくれます。
あまり黄色味が強くない方が、
より合わせやすいです。
木目には、
板目 (いため)
柾目 (まさめ)
があり、よりナチュラル感を出したい場合は、
板目がお勧め。
よりシンプルさが欲しい場合は、目のおとなしい
柾目がお勧めです。
B.ウォールナットは、
木目に、いろいろな色要素が含まれているので、
黄色系の木目とも赤色系の木目とも
合わせやすいですね。
〇木目の明るいところに合わせて
ホワイトオークの家具とコーディネート
〇木目の暗いところに合わせて
ウェンゲの家具とコーディネート
〇木目の赤味にあわせて
チェリーの家具とコーディネート
いずれも可能です。
AさんBさん、
どちらも懐が深いですね!
オーク・ウォールナット
共に現在、
多くのマンションのフローリングにも
採用されていますので、
こちらを選択されておくと、
後々、
コーディネートに悩むことが少ないと思います。
是非参考にして下さい。
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