家具の木目の色選び➂ ー黄色系か赤色系かを判断基準にするー
家具の木目について、お話しています。
木材を使った家具選びをする時の
押さえておきたいポイントです。
前回までに、
①好きかどうか
②内装材との色の調和
ついて考えることを
おすすめしました。
ただ、マンションや賃貸の場合は、
内装材→床の木質の色は、
選べない場合も多いですし、
内装材と全く同じ色の木目の家具を
コーディネートするということは、
かなり難しいです。
ペンキの色ではないので、
〇材木の種類
〇塗装色
によって、
同じ呼び名、
例えば、
ライトブラウン
ミディアムブラウン
ダークブラウン
であっても見た目のカラーは
異なります。
ですから、
似たような色でまとめたつもりでも、
合ってるような、
合っていないような??
ということになってしまいますね。
そこで、
私が考える、
【床の色と家具の色の微妙な色合わせ】
について書いてみようと思います。
それがつまり、
【床と家具の色をうまく調和させるコツ】
です。
簡単にまとめるのはとても難しいのですが、
最も着目したい大切なことは、
以下の4点です。
①黄色系か赤色系かを判断基準にする。
②複数の木目柄をケンカさせない。
③異素材&無彩色で緩和させる。
④形状で統一感を出す。
まず、
①黄色系か赤色系かを判断基準にする。
について。
木材は、
黄色系と赤色系にだいたい分けられます。
- ・木材本来の色の場合
- ・本来の色に似せて塗装している場合
- ・天然にはない色をオリジナルで作っている場合
上記の3パターンがありますが、
いずれにしても、大きく2つの系統に分かれます。
メイクでよくつかわれている、
【イエローベース】と【ブルーベース】
のような意味合いといえます。
”そのグループ内で合わせるとまとまりが良くなる”
分かりやすい指標です。
例として下記の写真をご覧下さい。
※フローリングや家具によく使われる木材
の中から選んでいます。
※写真は【木材博物館】さんのサイトから
お借りしました。
黄色系は、このような感じ。
イエローパイン
ホワイトオーク
オバンコール
ウェンゲ
赤色系は、
ブナ
チェリー
ウォールナット
ローズウッド
違いがお分かり頂けるかと思います。
ただ、天然木は、経年変化で色味が
赤から黄色へ。又は黄色から赤へと、
変化する場合があるので、
難しいところではありますね。
そのあたりは、
また別の機会に書きたいと思います。
薄めの色でのコーディネートでは。
以下のような例が挙げられます。
黄色系
出典:アマン東京
出典:カンディハウス
和室とも相性が良く、
直線的なデザインがとてもよく合います。
国産の樹種は黄色味のものが多いので、
和風建築に多用されているため、
見慣れた感じがするのかもしれませんね。
一方
赤系のコーディネートは
以下のような例があります。
出典:SERVE
メープル材やビーチ(ブナ)材の
素材そのものの色。
北欧デザインなどの少し丸みを帯びた
デザインが合うような気がします。
乾いた”パウダリーな感じ”の仕上がり
がお好きな方にお勧めです。
色差が微妙なので、
比較してみないと、
分かりにくいかもしれませんが、
案外違和感を感じるときは、
この”違い”が気になっているかもしれません。
黄色・赤色を意識した
組み合わせとしては、
たとえば、
黄色×黄色
黄色系の明るい床に、
ダーク系のウェンゲ材などの組み合わせ。
明るいカジュアルさの中に、シックな個性を
表現した空間になります。
例としては、以下のようなものがあげられます。
出典:CASSINA .IXC
出典:Dada
赤色×赤色なら、
赤味の床にローズウッドの家具など
温かみのある、落ち着いた空間に
まとまります。
例はこちら
深い赤。
クラシカルな重厚感。
出典:ADコア
オレンジ味の赤。
カジュアルに寄ります。
出典:ACME
上記のように、
同じカラー系統の木目なら、濃淡が異なっても
相性が良いのですが、
黄色系×赤色系を合わせると
違和感が感じられます。
以下は残念な例。
例えば、
黄色系×赤色系。
ホワイトオークの床に
ローズウッドの家具を合わせると、
あまりに色が違い過ぎて、
良さを打ち消し合ってしまいます。
ホワイトオークのナチュラルな美しさと
ローズウッドのシックな印象がちぐはぐです。
赤色系×黄色系。
チェリーの床にオバンコールの家具
どちらも同じくらいの明るさのの木目ですが、
色味が合わないので、
チェリーの温かみと
オバンコールの個性的なかっこ良さが
お互いの良さを打ち消し合ってしまいます。
木部が黄色味が強いのか、
または赤味が強いのか。
この点に意識をもっていると、
色合わせで大きな失敗をすることは
ないでしょう。
今回は、
①黄色系か赤色系かを判断基準にする。
でした。
これをふまえて、また次回から、
②複数の木目柄をケンカさせない。
③異素材&無彩色で緩和させる。
④形状で統一感を出す。
を考えていきますねー。
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