クワイエットラグジュアリーを、ずっと前から体現していたブランド
近年、「クワイエットラグジュアリー」という言葉をよく耳にするようになりました。
でもFLEXFORMは、その言葉が流行するずっと前から、
静かで、上質で、品のあるラグジュアリーを体現してきたブランドだと思います。
わかりやすく派手ではない。
一目で驚かせるようなデザインでもない。
でも、近づくほどに質の良さが伝わってくる。
そして何より、空間に置いたときに、人の暮らしを邪魔しない。
家具が主役になりすぎるのではなく、そこにいる人や、その人の時間を引き立ててくれる。
FLEXFORMの魅力は、そういう静かさにあると感じています。
遊び心のあるショーウィンドウ

ナチュラルテイストながら上質なムード



アントニオ・チッテリオと、幼なじみ同士で作ってきた家具づくり
FLEXFORMを語るうえで欠かせないのが、アントニオ・チッテリオの存在です。
私が敬愛するイタリアンモダンデザイナーのひとりです。
彼は、家の近所にあった家具工場で遊んでいた幼なじみ一家とともに、
FLEXFORMというブランドを作り上げてきました。
この背景を知ると、FLEXFORMの家具に流れる空気が少し見えてきます。
マーケットを見て、流行を追って、売れそうなものをつくる。
そういう方向ではなく、自分たちが良いと思うものを、丁寧につくる。
作りたいものをつくる。
その姿勢が、Flexformの家具には一貫して流れているように感じます。
いわゆる「プロダクトアウト」を徹底しているブランドだからこそ、流行に振り回されない強さがあります。
こだわりのある素材のみで構成する異素材コーディネート

張地をグレーにすることで、少しクールでモダンな印象に


一見変わらない。でも、ちゃんと進化している
FLEXFORMの家具は、一見するととてもシンプルです。
毎年劇的に変わっているようには見えないかもしれません。
人によっては、「代わり映えしない」と感じることもあるかもしれません。
でも、実際に見ていると、毎年きちんとバージョンアップしているのがわかります。
ここで2026年の新作と昨年2025年以前の新作を比べてみましょう。
※画像はFLEXFORMのホームページからお借りしました。
2026年 新作QUINCYはこのように、全体的に丸みを帯びたデザイン。
どこまでも優しくゆったりと過ごすライフスタイルが見えてきます。

対して2025年LOUNGESCAPEは一枚岩のような優しくも力強いスタイリッシュデザイン。
床に接する部分が船底のようになっていて、座りやすく見た目もすっきりした印象ですね。

2024年のCAMELOT
こちらは、ふかふかとした布張りの要素の心地よい柔らかさに円筒形のバーでコントラストを付けたデザイン。

いずれのソファも少しづつ異なりますが、”FLEXFORM”のリラックス感が感じられるデザイン。
安心感があります。
その元となるのが、2001年発売のフラッグシップモデルともいえるLOUNGESCAPE
このリラックスムードがどの年の新作にも引き継がれています。

プロポーションが少し変わる。
素材の組み合わせが変わる。
座り心地や佇まいに、今の空気が入る。
でも、FLEXFORMらしさは失われない。
この“変わらないように見えて、ちゃんと更新されている”感じが、とても好きです。
ファッションで言えば、毎年派手に流行を追うのではなく、
ずっと上質な定番を着ているのに、なぜか古く見えない人。
FLEXFORMには、そんな魅力があります。
今年印象的だったのは、アートを含めた世界観
今年のショールームで印象的だったのは、アートの見せ方でした。
シアーな刺繍のオーガンザパネルや、ジュリー・ジョンケ・コーヌによる可愛らしいイラストが展示空間を特徴づけていて、
家具だけではなく、アートを含めた暮らしの世界観がつくられていました。
昨年は、巨大な天然素材のパーテーションがとても圧巻でした。
それに対して今年は、もう少し軽やかで、可愛らしいアートの数々が印象に残っています。
FLEXFORMの家具は、シンプルです。
だからこそ、合わせるアートや小物、その人の持ち物によって、空間の表情が変わる。
「使う人で、好きにアレンジしてね」
今年の展示からも、そんなメッセージを感じました。
完成された世界観を押しつけるのではなく、
余白を残してくれるブランド。
そこがFLEXFORMらしいと思います。


屋外家具は、修道院という場所で
屋外家具の展示は、昨年に続き、修道院で行われていました。
キオストロ・サンタンジェロという歴史ある場所に、
FLEXFORMのアウトドアコレクションが静かに置かれている。
その組み合わせが、とても美しかったです。
厳かな回廊建築の中に、屋外家具がゆったりと配置され、
ただ展示を見るというより、静かな時間を過ごすような感覚がありました。
古い建築、自然の香り、屋外家具、そしてミラノの空気。
それらが重なって、FLEXFORMらしい穏やかなラグジュアリーが生まれていました。



素晴らしいホスピタリティ
屋外家具を見終わったあと、素敵なドリンクをいただきました。
日本からのお客様対応で忙しいはずなのに、
こちらにゆったりとしたくつろぎの時間を体験させてくださる。
そのホスピタリティが、とても印象に残っています。
そういえば昨年は、日本人スタッフの方が不在のタイミングで訪問してしまったのですが、
そのときはアジア統括マネージャーの方が、すべてをご案内してくださいました。
どこまでも親切で、丁寧で、あたたかい対応。
もともとFLEXFORMの大ファンでしたが、
こういう体験を重ねるたびに、ますます好きになってしまいます。
家具だけではなく、人の在り方まで含めて、ブランドの印象はつくられる。
FLEXFORMは、そのことを静かに教えてくれるブランドです。

実は、一番写真が撮りにくいブランド
正直に言うと、FLEXFORMは私にとって一番写真が撮りにくいブランドです。
シンプルで、ラグジュアリーで、空気感が美しい。
でも、それをカメラに収めるのがとても難しい。
限られたファインダーの中では、空間全体のスケールが伝わりにくい。
そして、素材の質感や、そこに流れている静かな空気までは、写真だけではなかなか表現しきれません。
写真を見返して、
「あれ、現地で感じた良さが写っていない」
と思うことが何度もあります。
なので、もし写真がうまく撮れていなかったら、どうか悪しからず。
FLEXFORMの魅力は、写真で一瞬に伝わる派手さではなく、
その場に身を置いたときに、じわじわと伝わってくる心地よさなのだと思います。
画角に収まりきらず、斜めに撮ってみました

FLEXFORMが似合うのは、こんな人
私の印象では、FLEXFORMはこんな方に向いています。
• 流行を追うより、自分の基準で良いものを選びたい人
• 派手なラグジュアリーより、静かな上質さに惹かれる人
• 家具に主張しすぎてほしくない人
• アートや小物で、自分らしく空間を育てたい人
• ゆったりとした時間を大切にしたい人
• 長く使える美しさを求める人
• 見せびらかすためではなく、自分のための心地よさを大切にしたい人
FLEXFORMは、わかりやすく目立つブランドではありません。
でも、住む人の美意識や人柄を、静かに引き立ててくれる。
そんなブランドだと思います。
私にとってのFLEXFORM
FLEXFORMは、見るたびに安心するブランドです。
大きく驚かせるのではなく、
静かに迎えてくれる。
流行を追いかけるのではなく、
自分たちが信じる美しさを、少しずつ更新し続けている。
その姿勢に、とても惹かれます。
家具を選ぶということは、
どんな時間を過ごしたいかを選ぶことでもあります。
FLEXFORMが似合うのは、
暮らしの中に静けさや余白を持ちたい人。
そして、自分らしく空間を育てていくことを楽しめる人。
派手ではないけれど、深く心に残る。
FLEXFORMは、そんなイタリアモダン家具ブランドだと思います。
ちょうど今月東京青山にショールームがリニューアルオープンしました。
もちろんそこでも変わらない静かな美しさを見ることができます。
https://www.flexform.jp/
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次回以降も、ミラノで訪れたブランドを、
ブランド解説ではなく、
「どんな世界観が好きな人に似合うか」
という視点で綴っていきたいと思います。
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DREAM INTERIOR
加藤英里
インテリアは、人生をアップデートする入口
馴染みだけで選べば、暮らしは既知の範囲に閉じ込められます。
でも、未知に触れた瞬間、暮らしの質は少しずつ、確実に変わり始めます。
その変化が、その人の生き方を静かに押し上げることだってある。
私は、これからもお客様がまだ見たことのない世界へ、そっと光を当て続けたいと思います。
インテリアコーディネーター資格取得後、
メックデザインインターナショナルにてモデルルーム設営に携わり、
二級建築士取得後は、野村不動産にてマンションの商品企画を経験。
空間デザインと不動産、双方の視点から住まいづくりに関わってきました。
2015年に独立以降は、個人邸を中心に、
住まい手の価値観や美意識を丁寧に読み解くインテリアコーディネートを行っています。
DREAM INTERIORが大切にしているのは、
流行や装飾に左右されない、その方の人生に静かに寄り添う空間。
インテリア提案から家具の選定・販売、施工までを一貫して担い、
完成形はCGによって事前に共有。
「選ぶ」「決める」「迷う」といった思考と判断の負担を極力手放し、
本当に集中すべき時間と感性を守るための住環境を設計しています。
2006年よりミラノ・サローネを現地視察し、
イタリア本国の家具ブランドやショップの空気感、
素材やディテールの変化を、日本の住空間へと落とし込んできました。
完全ワンストップ、かつ完全委任型のインテリアデザインサービスとして、
一邸一邸、丁寧に向き合っています。
デザイン主導型フルリノベーション