邸宅の中で体感する、モルテーニの世界
Palazzo Molteniの素晴らしさは、空間そのものにあります。
ただ広い展示場に家具が並んでいるのではなく、
歴史ある建物の中に、モルテーニの家具や収納、キッチンが自然に組み込まれている。
そのため、見ている側も
「このソファが素敵」
「この収納が便利そう」
という部分的な見方ではなく、
「こんなふうに住まい全体を整えることができるのか」
という感覚で体験できます。
モルテーニは、空間をバラバラに考えないブランドです。
ソファ、ダイニング、キッチン、クローゼット、アートまで、すべてがひとつの美意識の中でつながっている。
そこに大きな魅力を感じました。
どこを切り取っても素敵なシーンが描かれています

中庭の抜け感が空間を軽やかに



細やかな配慮がつくる、他とは違うラグジュアリー
モルテーニの家具は、一見するととてもシンプルです。
過剰な装飾があるわけではありません。
強く主張する色や形で目を引くブランドでもありません。
でも、近づいて見ると、細部の美しさに驚かされます。
・ラインの細さ。
・素材の合わせ方。
・扉の納まり。
・収納の見え方。
・キッチンの面材や、金物の存在感。
ひとつひとつがとても繊細で、完成度が高い。
シンプルなのに、どこか艶がある。
控えめなのに、確かなラグジュアリーを感じる。
そのバランスが、モルテーニらしさだと思います。
異素材合わせの上品なワントーンコーディネート

今期主流の丸みのあるキッチンも壁面との一体感でハイグレードな演出


クローゼットシステムとキッチンの最高峰ブランド
特に、華やかなクローゼットや収納の見せ方は印象的でした。
モルテーニの収納は、暮らしの中の美しい背景になります。
洋服、バッグ、時計、靴。
そうした大切なものを、ただ「収納する」のではなく、美しく整えて見せる場所として考えられています。
扉の質感、ガラスの透明感、内部照明、棚板や引き出しの納まり。
細部まで丁寧につくられていて、細部までオーダー可能。
クローゼットを開ける時間そのものが、少し特別なものに感じられます。
お気に入りの服を選ぶ。
時計を手に取る。
バッグを眺める。
そんな日常の動作が、まるで自分だけの小さなブティックにいるような時間に変わる。
大切なものを美しく扱いたい方、持ち物にも自分の美意識を込めている方のために、モルテーニのクローゼットシステムは作られています。
キッチンも同じです。
機能的であることはもちろん、
空間の中で建築の一部のように美しく存在している。
モルテーニは、リビングだけでなく、住まい全体をトータルで美しく整えたい方に向いているブランドです。
華やかなクローゼットシステム

エレガントな半円形の棚に釘付け!

腕時計専用の遊び心満載の収納 (時計が回転しながら出てきます)

寝室の壁面に設えるイメージも膨らみます


ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンがつくる静かな美しさ
現在のモルテーニの世界観を語るうえで欠かせないのが、クリエイティブディレクターのヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンです。
彼は2016年から、モルテーニとダーダのクリエイティブディレクターを務めています。
公式サイトでも、ワードローブシステム「Gliss Master」の開発以降、
ブランドイメージと販売コンセプトの連携に注力してきたことが紹介されています。
モルテーニの空間にある、静けさ、端正さ、建築的な美しさ。
その背景には、彼のディレクションが大きく影響しています。
クリストフ・デルクールや深澤直人さんのように、他ブランドでも活躍するさまざまなデザイナーたちが、
それぞれの感性を持ち寄りながら、ひとつのモルテーニらしさをつくり上げています。
それぞれの個性がありながら、きちんと同じ方向を向いている。
そこにも、ブランドとしての完成度の高さを感じました。
建築的な美しさに、やわらかさを添える家具
モルテーニの魅力は、建築的な美しさと家具のやわらかさを、
ひとつの空間の中で美しく共存させられるところにあると思います。
キッチンや収納、クローゼットシステムには、直線的で端正な美しさがあります。
面が整い、線が揃い、空間全体がすっきりと引き締まる。
そこには、モルテーニらしい緊張感と完成度があります。
でも、それだけで終わらないのがモルテーニの素敵なところです。
たとえば、深澤直人さんによるアームチェア「Cinnamon」は、
包み込むようなフォルムと温かみのある佇まいが印象的な家具です。
公式にも、フォルム・機能・快適性が自然に融合し、
深い安心感とリラックスした心地よさを生み出すアームチェアとして紹介されています。

また、今回のクリスティアン・モハデッドの新作「Corsetto」も、
やわらかく包み込むような印象がありながら、ディテールにはきちんとした抑制と緊張感があるアームチェアです。
レザーやファブリックをデザインの大切な要素として用い、構造と快適性の間にある美しさを表現している点も印象的でした。

こうしたアクセントになる家具が加わることで、モルテーニの空間は、ただ端正で美しいだけではなくなります。
直線的な建築要素の中に、少し丸みのある家具や、愛嬌のあるフォルムが入る。
そのバランスによって、空間に絶妙なこなれ感が生まれます。
緊張感はあるけれど、張り詰めすぎていない。
美しいけれど、冷たくない。
整っているけれど、ちゃんと人がくつろげる。
住宅にとって、本当に大切なのはこの部分だと思います。
どれだけ美しくても、そこにリラックスできる空気がなければ、暮らしの場所としては少し疲れてしまう。
モルテーニは、キッチンや収納で空間を端正に整えながら、家具でやわらかさや人間味を添えることができるブランドです。
だから、住まい全体を美しく整えたいけれど、緊張感がありすぎる空間にはしたくない方に、とても向いていると思います。


ファミリー企業として続いてきた歴史
モルテーニは、1934年にアンジェロ・モルテーニによって、家具産地として知られるイタリア・ジュッサーノで始まったブランドです。
工房はすぐに高品質な製品の代名詞となり、その後、工場へと成長していきました。
そして、今もファミリー企業として続いていることも、モルテーニの魅力のひとつだと思います。
長い歴史があるのに、古くならない。
伝統を守りながら、今の住まいに必要な美しさへと更新し続けている。
その積み重ねが、ブランドの奥行きになっています。
歴史を知ると、モルテーニの空間に感じる落ち着きにも納得します。
素敵なアートの数々。目が離せません


日本でも体感できる、モルテーニの世界
ミラノで体験したモルテーニの世界観は、日本でも青山のショールームで体感できます。
2025年ミラノのパラッツイオモルテーニと同じ世界観、同時に日本の空気感を加えた空間構成が繰り広げられています。
各々のゾーンではコンセプトに沿った展示内容で多彩なバリエーションが確認できるので、自分の好みをはっきりさせる手助けをしてくれます。
素材に触れて、扉を開けて、座って、空間全体の空気を見る。
そうして初めて伝わる美しさがあります。
特にモルテーニのように、細部の完成度や空間全体の統一感に魅力があるブランドは、実物を見ることがとても大切です。
写真だけでは伝わりきらない美しさが、そこにあります。
Molteni&Cが似合うのは、こんな人
私の印象では、モルテーニはこんな方に向いています。
・繊細で美しいものが好きな人。
・派手さより、完成度の高さに惹かれる人。
・家具だけでなく、キッチンや収納まで美しく整えたい人。
・住まい全体に統一感を持たせたい人。
・建築的で端正なインテリアが好きな人。
・細部まできちんと考えられた空間に安心感を覚える人。
・上質だけれど、見せびらかすようなラグジュアリーは好まない人。
モルテーニは、ひとつの家具だけで強く主張するというより、
空間全体を静かに完成させていくブランドだと思います。
だから、リビングだけでなく、キッチン、収納、クローゼットまで含めて、住まい全体を美しく整えたい方にはとても相性が良いはずです。
私にとってのMolteni&C
モルテーニは、見れば見るほど細部に引き込まれるブランドです。
一見シンプル。
でも、よく見るととても繊細。
控えめなのに、確かな艶がある。
家具、収納、キッチン、建築的な空間づくり。
そのすべてに同じ美意識が流れていて、住まい全体を美しく整える力があります。
ミラノのPalazzo Molteniで体感したのは、
家具を並べた展示ではなく、ひとつの理想的な暮らしの姿でした。
細部まで美しく整った空間は、
大きな声で主張しなくても、人の気持ちを静かに満たしてくれる。
モルテーニは、そんなイタリアモダン家具ブランドだと思います。
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次回以降も、ミラノで訪れたブランドを、
ブランド解説ではなく、
「どんな世界観が好きな人に似合うか」
という視点で綴っていきたいと思います。
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DREAM INTERIOR
加藤英里
インテリアは、人生をアップデートする入口
馴染みだけで選べば、暮らしは既知の範囲に閉じ込められます。
でも、未知に触れた瞬間、暮らしの質は少しずつ、確実に変わり始めます。
その変化が、その人の生き方を静かに押し上げることだってある。
私は、これからもお客様がまだ見たことのない世界へ、そっと光を当て続けたいと思います。
インテリアコーディネーター資格取得後、
メックデザインインターナショナルにてモデルルーム設営に携わり、
二級建築士取得後は、野村不動産にてマンションの商品企画を経験。
空間デザインと不動産、双方の視点から住まいづくりに関わってきました。
2015年に独立以降は、個人邸を中心に、
住まい手の価値観や美意識を丁寧に読み解くインテリアコーディネートを行っています。
DREAM INTERIORが大切にしているのは、
流行や装飾に左右されない、その方の人生に静かに寄り添う空間。
インテリア提案から家具の選定・販売、施工までを一貫して担い、
完成形はCGによって事前に共有。
「選ぶ」「決める」「迷う」といった思考と判断の負担を極力手放し、
本当に集中すべき時間と感性を守るための住環境を設計しています。
2006年よりミラノ・サローネを現地視察し、
イタリア本国の家具ブランドやショップの空気感、
素材やディテールの変化を、日本の住空間へと落とし込んできました。
完全ワンストップ、かつ完全委任型のインテリアデザインサービスとして、
一邸一邸、丁寧に向き合っています。
デザイン主導型フルリノベーション