ADコア 2022新作発表 「どこにでもありそうで、どこにも無いもの」 長く愛されるメーカーならではの姿勢の数々。
こんにちは。
DREAM INTERIOR
ドリームインテリア
加藤英里です。
お勧めの家具をいろいろと紹介していますが、
(他のおすすめ家具ショップ&アイテム記事はこちらからご覧頂けます。)
ここのご紹介は欠かせない!というメーカーがあります。
ADコア(エーディ―コア)さん。
こちらは、社内でデザイン・生産を一貫して行っていて、代表の瀬戸氏がデザイナーでもあるということでも有名です。
ですので、発表会は、瀬戸氏のプレゼンテーションを実際に聴ける貴重な機会。
昨年はオンラインで拝聴しましたが、今年は10月末、実際にショールームで製品を拝見しながらお伺いすることが出来ました。
ADコア 2021年新作発表
ADコアの製品は、コントラクト(商業施設やホテルなど)での使用例もとても多く、長期使用にも耐えうるとても汎用性の高い家具。
レストランなどで見かけることもとても多いですね。
汎用性が高いというのは、一見とてもシンプルだからこそなのですが、実はとてもこだわりがあって個性的です。
「どこにでもありそうで、どこにも無いもの」今回の新作リーフレットにもそのフレーズを拝見しました。
家具好きには、たまらない美しい納まりで、毎回驚かせて下さいます。
ADコアの家具は、
〇廃番を作らない。
〇在庫をせず、全て受注生産
という驚きのコンセプトで創業の1985年から良質な製品を作り続けています。
そんなことが可能なんて、本当に驚きです。
家具にももちろん流行がありますし、爆発的にヒットしたデザインは、だんだん古びた印象になりがちです。
40年近く前から変わらないものなんて、なかなかありません。
1985年といえば、
当たり前ですがWindows95の発売10年前。
CDからカセットテープにダビング(懐かしい~)していた時代ですよ!
NTTからショルダーフォンが発売された年とのこと。
あの、「しもしも~(^^♪」のやつです。(わかる人だけわかる。(笑))
横綱北の湖引退。
清原・桑田のプロ野球入団の年です!
面白くて調べていたらどんどん脱線してしまいましたので、
本題へ・・・。
とにかく凄いことです・・・。
10月に発表されたのは、A-mode エーモードのシリーズです。
A-modeは、カリフォルニアスタイルの家具。
これまでのカタログでは、このシリーズはシンプルモダンなカリフォルニアの住宅で撮影されている印象でした。
ところが、今回は、なんと鎌倉の古民家で撮影したとのこと。
「あぁ。コロナの影響で、今年はカリフォルニアに撮影に行かれなかったんですね。。残念。」
と思ってしまいましたが、そんな単純なお話ではありませんでした。
カリフォルニアスタイルの源流に、日本の伝統的な建築様式あり
実は、世界のモダン住宅の基本ともなっているカリフォルニアスタイルの源流に、日本の伝統的な建築様式がある。とのこと。
大きく開放した引戸は風を取り込み、室内空間と庭との境界をあいまいにして、インテリアに屋外の景色を溶け込ませる効果がある。
また夏の日差しを和らげるために伸びた軒先等の構造はとても機能的かつシンプルで無駄がなく、経済的にも優れている。
それまでに西洋の建築にはなかった機能と様式を融合させることで、新たなモダン建築が生み出されていったようです。
フランク・ロイド・ライトの影響を受けたリチャード・ジョセフ・ノイトラや、その後の建築家によってさらに洗練されたものになり現代に至るとのこと。
究極的に、”人が心地よい”と思うものにはやはり共通点があると思います。
その土地の特性や、ライフスタイルによって変化するものなので、それぞれ違う形に変化して行くわけですが、
ここ数年の外出を控えなくていけない。という状況下では、伝統的な日本家屋は、屋外と屋内を程よく融合した住まいという意味で生き物としての心地良さを叶えてくれるように感じます。
アウトドア家具が数年前から注目されていますが、もともと日本の住宅は”ほとんど外”と言っても良いほど開放的です。
時代劇中で、柱が立っているだけで、”ほとんど外”みたいな住宅で人々が生活している様子を見るたびに、なんて開放的なのだろう。と思います。
そういう意味では、タワーマンションのように窓の多い住宅は、
「なんで、こんなに窓が多くて壁が少ないのだろう。」と家具のレイアウトに苦心することもありますが、
もしかすると案外日本古来の伝統家屋のような心地よさを満たしてくれるのかもしれませんね!
見方を変えると面白いです!
新作の写真をいくつか。
昨年発表されたシリーズをベースに、さらに使い勝手が良くなっています。
こちらが昨年発表のシリーズ。
今年の製品より背もたれが高く、奥行が深いタイプでした。
画像:ADコア
ゆったり座れて、リラックスしたお食事や、長時間のワークタイムに対応。
というコンセプトでしたが、今年は少しだけ軽めのデザインとなって、価格もリーズナブルになっています。
もう一度こちらが、今年の新作。
画像:ADコア
軽さを感じますね!
自宅での椅子は、椅子を引いたり立ち上がったりする動作が”楽”という点もとても大切な方が多いと思いますので、
より使い勝手重視のタイプなのかなと思います。
背もたれ部分は、張地を張ったソフトなタイプと木部のままのよりすっきりとしたタイプが選択できます。
もちろん、張地や木部の色が選べますので、いろいろな空間にフィットすることが可能。
最近は、自宅でお仕事をされる方用の、ジャージー素材のジャケットやパンツが人気のようですが、
そんなエフォートレス・大人のカジュアルを目指した家具。
ともおっしゃっていました。
自宅で仕事というと、オフィス用のキャスターのついたチェアを買わなきゃと思う方もいらっしゃると思いますが、
〇長時間座っていても疲れない。
〇椅子を引いて立ち上がるのが楽。
というコンセプトなら、必ずしもオフィスのようなチェアを買わなくてはいけないわけではありませんよね。
デザインの点からみると、
こちらの源流は、北欧のデザイン。
〇直線的なデザインはとてもすっきりとしていて、どんな空間にも合わせやすい。
〇無駄のない材料取りをすることで、廃材を減らしコストを抑えることが可能。
背もたれの部分は、無垢材ではなく、積層材を使用して成型しているのですが、小麦粉やコーンスターチを接着に使用しているそうです。
ひとつのチェアにもこんなにストーリーがつまっていて、本当に奥が深いです。
テーブル裏面の工夫がすごい!
テーブルについては、スチールのナットと亜鉛のボルトで固定。
天板にナットを埋め込み、ボルト3本に角度を付けて固定する形にすることで、
裏側には余計な部材を使うことなく、しっかり固定されています。
スチールと亜鉛、素材を変えている理由も伺ったのですが・・・忘れてしまいました!
情報量がすごいのです。汗。
通常、家具を買うときに、ここまで気にされる方はなかなかいらっしゃらないでしょうし、
もちろんそこまで知る必要がないと思っています。
でも、そこまで考えられているからこそ、どんなシーンでも使い勝手がよく、どこにおいても美しいのだな。と感じます。
実は、私のように家具を偏愛しているタイプの人間は、テーブルの裏側はとても気になります。
脚がどうやって固定されているのかな?って。
裏側なんて目に入らないから、どうでもよいと思われるかもしれませんが、実はそこに技術力が隠されています。
脚で天板の重量を支えるために。とか、木製の天板なら、反りが出ないように。とか、機能を満たしつついかに綺麗に仕上げるかという点には、メーカーさんがさまざまな工夫をしていて、個性も現れます。
ただ、そんなマニアックな話ではなくとも、ダイニングテーブルで使う場合、レイアウトによっては、ソファに座った目線から案外テーブルの裏面が目に入ることもありますので、
そのような際、”裏まで綺麗”な方が豊かですね!
最後に、裏面に関することでもう一点。
テーブルの脚ががたつくときや、引越しで脚を外したい時などに、六角レンチというパーツを使います。
この工具、テーブルを購入するとどこのメーカーもかなりの頻度で付属しているのですが、いざ使いたい時に、「あれ、どこ行った?」となりがちです。
ADコアのテーブル裏には専用のわずかな掘り込みがあって、これが、マグネットでぴたりとくっついて収納されるようになりました。
裏面にくっついていると、決してなくさないですし、億劫がらずに気軽に調節することが出来ます。
本当に使う人のことを長年考えていらっしゃるのだなと思います。でもデザインの美しさは諦めない。
六角レンチが綺麗にくぼみに入っている様子は萌えます。
※六角レンチこちらです。↓
長く愛される家具メーカーならではの姿勢に感動!
ソファについては、昨年の新作にモジュールを増やしたとのこと。
当初はアーム(ひじ掛け)が全くないタイプでの展開でしたが、今年からアームをオプションでジョイントできるそうです。
お客様のニーズをとらえた細やかな対応で安心感がありますね。
センターテーブルも、さすが、「どこにでもありそうで、どこにも無いもの」というコンセプトのメーカー。
とてもシンプルですが、使い勝手にも配慮されたデザインです。
もうひとつ、アウトドア使用も可能なチーク材バージョンのテーブルセットがこちらです。
アウトドア家具も、まさに「どこにでもありそうで、どこにも無いもの」でした!
このすっきりした脚たち。。
チーク材のテーブルは、もう少しどっしりしたデザインで、いかにもアウトドアという感じのものが多いですが、
こちらは、とてもエレガントです。
ミャンマー製の良質なチークを用いていて、塗料、天板の溝。いくつものこだわりがつまっています。
こんなに軽やかなデザインなら屋外ではなく、屋内で使いたい方も多いのではないでしょうか。
因みに、室内のシリーズより高額ですが、それもうなずけるほどのこだわりの逸品でした。
いつも、展示会はとても楽しく、ついつい、いろいろ質問してしまいます。
聞けば聞くほどいろいろなエピソードが出て来て、興味が尽きません。
最後に、SDGsの取り組みとして、梱包の際の発砲スチロールの緩衝材を減らし、紙ベースの梱包材を可能な限り使用することにされたそうです。
家具の梱包材といえば発砲スチロール一択でしたので、発砲スチロールを使わないようにすることが実現するなんて考えられなかったなー。
ADコアさんは、昨年から全ての木部塗装を抗菌塗装に標準化されましたし、本当に動きが素早いですね。
長く愛されるメーカーならではの姿勢の数々に感動です!
家具は、当然ながら機能性が必要で、かつデザインが素敵であることが求められ、また、長期使用が求められるプロダクトです。
メーカーさんは、本当に素晴らしいな。といつも感動します。
誰かとこの思いを共有したくて、こんな記事を書いています。
ADコアの別のシリーズ、NEO CLASSICO( ネオクラシコ)のダイニングセットでコーディネートした事例は、
当ホームページ works 6 自分好みに自由にスタイリングするアート&エレガントな暮らし をご覧下さい。
最新の自己紹介記事はこちらです。
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